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07月20日(月)

Bruce W. Ferguson, "Goliath", Nature 460, 298, 2009

2009 円7月9日号の Nature 誌 FUTURS は、巨大隕石による地球滅亡もの。どちらかというとそういうシチュエーションにおける人類の愚かさをブラックユーモアであざわらうといった趣きのもので、乾いた筆致の文章の積み重ねがとても魅力的な傑作だと思う(タイトルにあるゴリアテとは、旧約聖書にでてくる悪者になぞらえた、巨大隕石につけられた名前)。問題は一番最後にある会話文で、これはL5(意味不明)における宇宙船から地球を観察している二人の知的生命体の会話だと思うのだが、若干くだけた物言いになっているため、意味がつかみにくい。自信はないが、そのうちの一人は地球人類が自然選択に反して救済されるのは我慢ならないと言っており、もう一人はそれに反対しているように思える。

 この最後の部分の意味をちゃんとつかめているかどうか自信がないものの、このストーリーはこれまで数年感読んできた FUTURES の中でも出色の出来の一つと言えると思う。代表作の一つとして、広くお勧めしたい。