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11月17日(火)

太陽の帝国 (Empire of the Sun, スティーブン・スピルバーグ, 1987)

遅ればせながら、深夜放送されていた「太陽の帝国」をみた。前編と後編に分けて放送されており、前編をみた段階では、今ひとつと感じていたが、後編を観て、すごく良い映画のように思えてきた。やや突飛かもしれないが、筆者の解釈は、これはスピルバーグ版の「地獄の黙示録」なのではないか、ということとになる。コッポラとスピルバーグの親交はよく知られているので、そういう発想になったのだが、コッポラの「地獄の黙示録」はベトナム戦争という舞台設定をつかい、戦争の狂気を描きつつも、その残虐さを告発するという姿勢よりも、文学的(コンラッドの小説)、耽美的な作風であった。この「太陽の帝国」も、太平洋戦争を題材にして、その状況下の少年の目を通して、数々の狂気じみた状況を描きながら、反戦といった視点とは離れて戦争を描こうとしている気がした。そして、そこに忘れられないような美しいシーンがいくつかちりばめられたというわけである。しかし、地獄の黙示録にせよ、太陽の帝国にせよ、そのような「文学的な」映画は、戦争に直接かかわらざるを得なかったような人々からみれば、能天気な受け入れ難いものにみえるだろう。「太陽の帝国」が、これまであまり注目されてこなかったのは、そのせいなのではないか。そして、アカデミー賞がほしかったスピルバーグは、もっとストレートに反戦のメッセージが伝わる「シンドラーのリスト」や「プライベート・ライアン」を撮って、成功した、ということではないだろうか。この映画は、スピルバーグをもっと先に回顧するときに、その重要性が再評価されるような気がしてならない。
 

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